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第16回ラクロス全日本クラブ選手権大会・決勝戦(男子)
- ■ 大会名:第16回ラクロス全日本クラブ選手権大会・決勝戦(男子)
- ■ 日程:2014年11月29日(土) 13:30試合開始
- ■ 場所:大阪府(大阪市)・鶴見緑地球技場(鶴見スタジアム)
スコア
チーム 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 ACL (西日本1位) 2 0 2 3 7 FALCONS (東日本1位) 2 2 4 2 10 得点者
ACL FALCONS #1 忠平 裕司 (2) #9 継 渉 (3) #22 梅田 晃樹 (2) #13 橋本 立輝 (3) #16 矢橋 勇輝 (1) #3 家石 聖 (1) #50 池田 貴裕 (1) #6 小林 潤 (1) #51 松永 健太 (1) #7 高橋 涼輔 (1) - #18 佐保田 裕介 (1) 審判員
主審 坂本 猛 副審 鷲北 真誠 中筋 源太 CBO 外賀 雄太 ベンチマネージャー 大西 心尚
【スコア】
【審判】
【レビュー】
2014年11月29日(土)、大阪府(大阪市)・鶴見スタジアムにて、全日本クラブ選手権決勝戦を行った。日本中のクラブの日本一を決める試合の対戦カードはACL(以下、ACL)対FALCONS(以下、FAL)と、昨年のクラブ選手権決勝戦と同一カードとなった。昨年は大差(23-5)でFALが勝利したが、今年の決勝戦の会場はACLのホームである関西。過去15回のクラブ選手権は全て東日本のクラブが優勝しており、クラブ選手権の優勝は、西日本クラブの悲願となる。悲願成就に向け、西日本を代表し、『挑戦者』ACLがホームの大声援を背に『王者』FALに挑んだ。
1Q
FAL#31舟橋、ACL#10清水のフェイスオフでクラブ日本一をかけた戦いの火蓋が切られた。先手を取ったのは王者FAL。試合開始3分、FALの激しいライドにACLがたまらずミスを犯す。ボールがこぼれた所のグラウンドボールをFAL#3家石が制し、そのまま中へ切り込みシュート。この日1本目のシュートで王者FALが先制点を得て、0-1となる。
挑戦者ACLも一歩も引かない。8分にゴール左横からACL#50池田が1対1を仕掛ける。FALのディフェンスが一歩も動けない程、鋭くゴール前に切り込み、シュート。これがFALゴールに突き刺さり、1-1の同点となる。
11分、FALにこの日初めてのエキストラマンオフェンスのチャンスが訪れる。このチャンスにFAL#13橋本がACLディフェンスの隙を突き、ゴール裏から豪快にダイブし、見事なゴールを決める。これで1-2。再び王者FALがリードを奪う。
15分、ACLにもエキストラのマンオフェンスチャンス。ACL#4佐藤のミドルシュートをFALゴーリ―が弾いた所を、ACL#16矢橋が素早く反応し、難しい体勢からシュートを決める。2-2の同点。そのまま1Qは同点で終了した。
ACLがゾーンディフェンスを敷いた事や決勝独自の雰囲気もあり、両チーム共にお互い様子を見つつ、相手の隙を伺う展開となる。但し、どちらのチームにも高い技術が見え、どちらかが気を抜くと一瞬で試合は決する、そんな緊張感のある試合展開となった。
2Q
FAL#31舟橋とACL#17山下のフェイスオフで2Qが開始されると、いきなり試合が動く。フェイスオフをFALが制すると、そのままFALらしい早いパス展開からFAL#9継がゴール裏から飛び出し、パスを受けてシュート、確実に決めきって2-3と再びリードを奪う。
2Q開始6分、ACL#1忠平が素晴らしいグラウンドボールを見せてブレイクを作り出すと、ゴール前でACL#24川浪がチャンスを迎えるも、こちらは決めきれず、ACLが追いつくチャンスを逃す。
11分、ACLのグラウンドボール明けのチェックアップミスを王者FALは見逃さない。FAL#6小林がフリーな状態でミドルシュートを突き刺し、2-4。リードが広がった。
その後、17分にはACL#8渡里のセーブからブレイクを作り出し、ACLが何度もFALゴールに迫るも、得点を挙げるには至らず、そのまま2-4で前半を終える。
東日本と西日本で圧倒的な攻撃力を見せつけてきた両チームにしては、静かな前半となったが、得点には表れない熱い攻防に、観客は何度も沸いていた。
3Q
FALのアンスポーツマンライクコンダクトにより、ACLのエキストラマンオフェンスから後半が始まる。しかしACLのパス回しをFAL#19水田がカットし、FALのオフェンスに繋がる。そのオフェンスで、FAL#7橋のパスをACLゴーリ―が見事にカットするも、弾かれたボールがゴールに吸い込まれ、ACLにとっては不運なゴールで2-5とリードを広げられる。
5分、ACLも流れを呼び戻すべく、積極的に仕掛ける。ACL#51松永がゴール右横からの1対1を制し、シュート、ゴールが決まり、3-5となる。
続いて得点後のフェイスオフをACLが制すると、その流れからACL#1忠平が豪快なミドルシュートを突き刺し、4-5。1点差に迫る。
12分、ACLが同点に追いつくチャンスを迎える。ACL#4佐藤のタイミングの良いパスにACL#1忠平がゴール前で反応。ゴール前で豪快にシュートを撃ち抜くも、FAL#2ゴーリ―小畑が完全にコースを読み切り、ビックセーブ。FAL#2ゴーリ―小畑はフィールド上の誰よりも早くオフェンスへと切り替える。ゴーリーから見事なパスが繋がり、最後はFAL#13橋本がフィニッシュ。4-6となる
。ACLにとっては「同点だ!」と思った直後に逆に失点を喫し、嫌なムードが立ち込める。
やはり王者FAL、ここを勝負どころと見極め、落ち込む相手に対し、一気に勝負を決めにかかる。
15分、FALのセットオフェンスでFAL#9継がゴール前でマークを振り切り、パスを受けゴール。これで4-7。続く18分、ACLのファールによるエキストラマンオフェンスをFAL#9継がまたしても得点し、4-8と一気に4点差とした。
このまま3Qは終了。挑戦者ACLは王者FALに対して4点ビハインドという厳しい状況で最終4Qを迎えることとなったが、ACLの応援に駆け付けたホームの観客はACLの勝利を願い、大歓声を送り続けている。
そしてなにより、ACLの選手の表情からは諦める気持ちなど一切なく、4点差を追いつき、『西日本初のクラブ日本一』になるという気迫が感じられた。
4Q
遂にクラブ日本一を決する為の20分が始まった。ACL#10清水がフェイスオフを制しポゼッションを得ると、そのオフェンスから、ACL#22梅田がゴール裏からの1対1でゴール前に侵入、振り向き様に見事なミドルシュートを決めて5-8とする。得点後のフェイスオフを続けてACLが制すと、またしてもACL#22梅田がゴールを決め、6-8。2点差へと迫る。沸き上がるホームの大歓声、既にACLの応援に集まった観衆は、心の中で同点へのカウントダウンを始めている。
8分、ACL#1忠平がゴール右上から1対1を仕掛けると、FALディフェンスを引きづりながらも豪快なランニングシュートを突き刺す。スタンドの観衆も思わず腰を上げるような見事なシュートが決まり、7-8。遂に、挑戦者ACLが王者FALを追い詰めた。
しかし、王者は王者らしく、この状況でも焦らない。ゾーンディフェンスを敷き、ACLの流れを止めるべく、策を打つ。すると13分、必死に追い掛ける挑戦者ACLに対し、王者FALは真っ向から立ち塞がる。FAL#3家石の崩しから、最後はFAL#18佐保田がゴール前へ切れ込み得点。日本一の称号を何度も手にしてきたベテランの勝負強い一撃で、7-9。FALが再度、突き放した。
残り時間もわずか、ACLは『西日本からの初のクラブ日本一』という夢に向け、必死にボールを奪いに行く。しかしFALは#6小林と#13橋本の見事なパス回しで追加点。このゴールで7-10とし、試合終了となった。
FALが見事にクラブ選手権4連覇を果たし、今年も王者としての強さを見せつけた。アウェイの地でも、見るものを引き付ける華麗なプレーを披露し、観客席から拍手を浴びていた。
対してACLも敗れたものの、王者FALをギリギリまで追い詰めた戦いぶりは見事であった。クラブ選手権では敗れたものの、次の舞台である全日本選手権で王者を破るべく、この先の戦いぶりに期待を抱かざるを得ない。