脳振盪対策について

チームで決めておこう!脳振盪の対応方法

近年、ラクロス競技において、国内外、男子/女子競技に関わらず、脳振盪、またはそれを疑える症状の発生が増加しており、国内リーグ戦でも複数の報告が寄せられています。
頭部・頸部は、身体の中でも重要な場所。命に関わることも、大きな後遺障害が残ることもあります。
ちょっと頭を打っただけ、では済まされないこともある脳振盪。重大な事故を未然に防ぐために、脳振盪、またはそれを疑える症状が発生した場合は、以下の資料に沿った対応を取ってください。

『脳振盪、またはそれを疑える症状の発生について(ガイドライン)』

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ラクロスでは、男女関わりなく、脳振盪が起こりうるスポーツ!
ちょっと頭を打っただけ、打っていなくても強い衝撃が加われば脳振盪の可能性あり!!

以下のようなことが見られたら、 脳振盪の可能性があります。

脳振盪を疑う明らかな手がかり

  • 競技場の地面や床の上で倒れて動かない
  • 直接的または間接的な頭部への衝撃のあと、すぐに起き上がれない
  • 見当違いをする、混乱している、質問に正しく答えられない
  • ぼうっとしている、 うつろな様子、 放心状態
  • バランスが悪い、歩行困難、よろめく、動作がぎこちない、動作が鈍く重い
  • 頭部外傷時の顔面損傷

脳振盪を疑う症状

  • 頭痛
  • 頭がしめつけられる
  • 足もとがふらつく
  • 嘔気
  • 嘔吐
  • 眠たくなる
  • めまい
  • ぼやけて見える
  • 光に過敏
  • 音に過敏
  • 疲れている、またはやる気が出ない
  • 何かおかしい
  • いつもより感情的
  • 怒りっぽい
  • 悲しくなる
  • 心配になる、または不安になる
  • 首の痛み
  • 集中しづらい
  • 思い出しにくい
  • 動作を鈍く感じる
  • 霧の中にいるような感じ

強い衝撃があって倒れた選手はむやみに動かさない! ヘルメットも外さない!
意識・呼吸の確認、頸髄損傷の可能性がないかチェック!!

脳振盪の可能性がある事象が起きた時は、首を痛めている(頸髄損傷)可能性もあります。その場合むやみに動かすと、かえって状態を悪くし、麻痺やしびれなど障害が残ることがあります。
頸髄損傷の可能性がある場合(頸の痛み、手足のしびれや動かしにくさ、息のしにくさ、後頚部の圧痛、頸以外の大きな外傷が認められる場合)、絶対にヘルメットは外さず、頸部保護の位置を取り、救急隊の指示を仰いてください。

脳震盪またはそれを疑える症状が起きた時の対応!

脳振盪は判断が難しい!本人の判断に任せず、少しでも疑われたら競技復帰禁止、受診しよう!
24時間は1人にしないで症状を確認!!

怪我をした本人は、「ラクロスがしたい」「試合に出たい」という気持ちが強いもの。すぐに頭痛や記憶障害などの症状が消失しても、時間が経ってから再び症状が出てくることもあるので、本人の判断に任せてはいけません。
脳振盪かどうかを現場で評価するのは困難ですが、手がかりとして「脳振盪認識ツール5」というものがあります。これらを用いて、客観的に判断し、少しでも脳振盪が疑われる場合は、競技に復帰させてはいけません。再びプレイに復帰すると、症状が悪化することも、また、万が一もう一度脳振盪が起きると、致死率や障害が残る確率がぐっと上がります。

競技復帰は段階的に。チームで受診する医療機関を決めておこう!

症状が完全に消失するまでは、安静にすごし、その後少しずつ段階的に復帰するようにしましょう。いきなり完全復帰するのは危険です。受診した際にきちんと医師と相談の上、復帰時期、復帰方法を決めてください。

公式戦における脳振盪、またはそれを疑える症状の対応を全国統一します!

2019年より公式戦において、脳振盪、またはそれを疑える症状が発生した場合の対応を全チームに通知しています。
本ページにPDFファイルを掲載していますので、必ずチーム全員で周知してください。