7月26日(土)第2回医科学セミナー開催
医科学セミナーは、全国の会員に向け、選手のパフォーマンス向上を図るための方法やスキルなどを医科学委員会のメンバーが講師となり年に数回のペースで実施しているセミナーです。
今回は以下の2つのテーマで開催されました。
- 『ラクロスにおけるパフォーマンスの向上-自己効力感を高めてあげよう-』
- 『パフォーマンス向上のための栄養摂取』
1つ目の題目について
コーチングという面からチームのパフォーマンスの向上を図ろうとするもので、選手、スタッフ1人1人がチームの勝利や、目標達成のために自分には何ができるのか、自分にはこのような能力があるからこういうことをやろうといった自己効力感を高めることが重要で、参加者それぞれが考えて行動してくことの重要性を紹介する内容でした。
2つ目の題目について
ベストパフォーマンスを発揮するには栄養摂取、食事が重要であるということ、人間の身体や行動の源は食事(栄養)であるという立場から、何をどのように、どのぐらい、どのタイミングで摂取するのが良いのかということや、摂取量などに関して解説する内容でした。
また栄養摂取の題目ではアンチ・ドーピングという視点からも栄養摂取が非常に重要であることも紹介されました。
アンチ・ドーピングに関する注意点
不足している栄養を補給するためにサプリメントを摂取したり、身体づくりのためにプロテインを摂取したりしている人も多いと思います。また、試合前に元気を出すためにエナジードリンクを飲む人もいると思われます。
しかし、サプリメントやプロテイン、エナジードリンクの中にはドーピング検査で禁止されている物質が使用されているものも存在しています。
ドーピング検査の現実
「ラクロスではドーピング検査は行われていないし、関係ない」と考える人もいるかもしれません。しかし、実際には2025年3月のU20男子代表練習会にドーピング検査員が予告なく来られました。(ドーピング検査員は基本的に予告なく来られます) 3名の代表選手がドーピング検査を受けました。結果は3名とも陰性でしたが、ドーピング検査はいつどのタイミングで誰に当たるかわかりません。
同じく皆さんもいつどのタイミングで代表活動に呼ばれるかわかりません。明日から代表の練習会に参加してくださいと言われ代表の練習に参加し、その練習会場でドーピング検査を受ける可能性があります。日ごろから口にするもの肌に触れるものなどに気を遣っていないとドーピング検査で陽性反応が出る可能性があります。そのためにもいつもクリーンな状態でいることが求められます。
陽性が出た場合の制裁
もしも、ドーピング検査で陽性が出ると、資格はく奪、成績取り消し、出場停止などの制裁が与えられます。これは選手にとって大きなダメージを与えることになります。したがって日ごろから口にするのも、肌に触れるものなどに気を遣う(疑う)ことが重要です。
サプリメント等摂取時の対応
もし、サプリメントやプロテインなどを摂取するのであれば、以下の点が必要です。
- 海外製造されたものをできるだけ避ける。
- 成分分析をされている第三者認証取得の商品を選ぶ(それでも100%安全とは言えない)。
- 商品のロット番号を記録する。
- 商品自体(一部)を保存するなどして、何かあった場合の身の潔白を証明するものを残しておく。
結び
現在、ラクロスでドーピング検査を受けるのは代表選手や代表候補選手に限られています。しかし、今後、国内でもドーピング検査が行われるようになっていく可能性があります。その時になって焦るのではなく、今のうちから食事による栄養摂取を心がけ、口にするもの、肌に触れるものなどに気を遣い(疑う)常にクリーンな状態でいられるよう努力していきましょう。
日本ラクロス協会医科学委員会 アンチ・ドーピング部会
食アスリート協会 シニアインストラクター 大西 城太郎




