
大会と日本代表
国内から世界へ
ラクロスの魅力は、プレーするだけではありません。応援するチームを見つけ、その成長や勝利を共に喜び、時には悔しがる。ここでは、白熱する国内大会から、日の丸を背負って戦う日本代表まで、ラクロスの競技シーンの魅力をご紹介します。
国内の主要大会
国内のラクロスシーズンは、地区の頂点、そして日本の頂点を目指す戦いの連続です。
国内リーグ戦(6月中旬~11月中旬/学生・社会人メインシーズン)
1988年に第1回学生ラクロスリーグ戦(現・関東学生ラクロスリーグ戦)が開催され、男子5校・女子2校が参加しました。その後、関西をはじめ全国7地区(北海道・東北・関東・東海・関西・中四国・九州)へと拡大し、学生ラクロスは全国的な規模を持つリーグ戦へと発展しました。
社会人カテゴリでは、1990年に日本社会人ラクロス連盟(現・日本クラブチームラクロス連盟)が発足し、翌年から全国各地でクラブチームによるリーグ戦が始まりました。
現在では、学生・クラブチーム共に各地区でリーグ組織が整備されており、1部から下部リーグに至るまで熱いリーグ戦が年間を通じて各地で繰り広げられています。

全日本大学選手権大会/全日本クラブ選手権大会(11月~12月)
2009年に第1回ラクロス全日本大学選手権大会が開催され、決勝戦は東京都世田谷区・駒沢オリンピック公園総合運動場で行われました。全国の学生リーグを勝ち抜いたチームが日本一を競うこの大会は、国内ラクロス界で最も注目を集める舞台の一つです。男子では早稲田大学と慶應義塾大学がそれぞれ5回、女子では慶應義塾大学と関西学院大学が3回ずつ優勝するなど、学生ラクロスの歴史を築いてきました。昨年度は男子が慶應義塾大学、女子が早稲田大学と、伝統校同士の熱戦が繰り広げられました。
また、社会人カテゴリーの頂点を決める全日本クラブ選手権大会は1999年に第1回大会が開催され、当初は東日本・西日本の優勝・準優勝チームによる全国大会としてスタートしました。その後、中四国、九州、東海地区のクラブも加わり、全国規模へと発展。社会人クラブは高い技術と戦術を磨き続け、近年は観客数も増加しています。昨年の大会では男子が GRIZZLIES、女子が NeO が優勝し、社会人ラクロスの頂点に立ちました。両大会は学生・社会人それぞれの最高峰として、日本ラクロスの発展を支える重要な舞台となっています。

全日本選手権大会 A1(12月~2月)
全日本選手権大会A1は、大学王者とクラブ王者が日本一を懸けて対戦する、国内ラクロスの頂点を決める大会です。
本大会は1989年に第1回大会が行われて以来、学生・社会人を問わず最高峰のチームが集う舞台として発展してきました。
そして、日本ラクロスのさらなる飛躍と、2028年ロサンゼルス五輪を見据えた国際的な競争力強化のため、第33回大会(2021年度)より名称を「全日本選手権大会 A1」へと変更・リブランディングされました。この「A1(Absolute One)」には、競技レベルの「非連続的な成長」を達成し、ラクロス界の頂点を目指すという強い決意が込められています。
現在は「日清食品 presents ラクロス全日本選手権大会 A1」として開催され、全国各地のリーグ戦を勝ち抜いた男女代表チームが出場します。第34回大会では、男子・GRIZZLIES、女子・NeOが優勝を果たし、クラブチームの高い技術力と組織力を示しました。
学生から社会人までが一堂に会するこの大会は、日本ラクロスの技術と文化の融合を象徴する存在であると同時に、世界へ挑戦する選手のインスピレーションを生み出す場として、重要な役割を担っています。

全日本学生新人選手権大会〜あかつきカップ〜(3月)
全日本学生新人選手権大会(あかつきカップ)は、全国の大学ラクロス新人戦優勝校が集まり、日本一の新人チームを決定する大会です。2023年に創設され、全国7地区の新人戦優勝校と中四国地区の準優勝校が参加します。主に1〜2年生が出場し、次世代の選手育成と地域間交流を目的としています。2025年大会(第3回)は岡山県美作市で開催され、男子は青山学院大学・東京学芸大学合同チーム、女子は同志社大学が優勝を果たしました。未来の大学トップチームや代表選手を輩出する登竜門として、日本ラクロスの新たな成長を支える大会です。

世界へ挑む日本代表
日本のトップ選手たちは「JAPAN」の名を背負い、世界の強豪たちと戦っています。
世界選手権大会(主催: WORLD LACROSSE )
4年に一度開催されるラクロス界最高峰の国際大会です。
男子世界選手権大会は、1967年にカナダでラクロス誕生100周年を記念して開催されました。4か国が招待され、アメリカ合衆国が優勝。1974年には、オーストラリアラクロス100周年を記念して第2回大会が開催されました。同年、国際ラクロス連盟(ILF)が設立され、以降4年ごとに開催されています。日本は1990年にエキシビションで初参加し、1994年からは正式参加として全大会に出場しています。
女子世界選手権大会は、1972年に女子ラクロス協会の国際連盟(IFWLA)が設立された後、1982年にイギリス・ノッティンガムで第1回大会が開催されました。1989年の第3回大会以降、4年ごとの開催となり、1997年の第5回大会は日本(東京都江戸川区)に招致されました。1986年と2005年を除き、全大会でアメリカ合衆国が優勝しています。日本は1993年より正式参加し、以降の全大会に出場しています。
近年、日本代表は男女ともに世界トップレベルに迫る活躍を見せており、男子は2023年大会で5位、女子も2022年大会で5位入賞を果たしました。さらに、2026年には女子大会、2027年には男子大会が日本で開催されることが決定しており、世界中の注目が日本ラクロスへと集まっています。次世代の日本代表を担う若い選手たちが挑む国際大会です。

年代別世界選手権大会(主催: WORLD LACROSSE )
男子年代別世界選手権大会は、1988年に19歳以下の世界大会として、アメリカ・ペンシルベニア州で第1回大会が開催され、4ヶ国が参加しました。1996年の第3回大会は、日本(東京都江戸川区)に招致されました。日本は1992年より正式参加しましたが、2012年と2016年は不参加でした。2020年大会から再参加予定でしたが、大会延期となり、2022年に21歳以下大会としてアイルランド・リムリックで開催され、日本は23か国中5位の成績を収めました。
女子年代別世界選手権大会は、1995年に19歳以下の世界大会として、オーストラリア・アデレードで第1回大会が開催され、7ヶ国が参加しました。日本は第1回大会より正式参加し、以降の全大会に出場しています。2019年大会はカナダ・ピーターバラで開催され、日本は22か国中5位の成績を収めました。2024年に香港で開催された20歳以下の大会で、日本は参加した20か国の中で3位に入り、史上初となる銅メダルを獲得しました。若手選手たちの国際舞台での活躍は、日本ラクロスの将来を力強く支える成果となっています。

アジアパシフィック選手権大会(主催:APLU)
アジア太平洋地域の国と地域が集う大会です。
主催はアジアパシフィックラクロスユニオン(APLU)です。オーストラリア、中国、香港、日本、韓国、ニュージーランド、チャイニーズタイペイ、タイが加盟しています。第1回大会は、日本とオーストラリアが中心となって準備を進め、2004年にオーストラリア・アデレードで開催されました。2005年の第2回大会は日本・大阪で開催され、以降2年ごとに開催されていました。当初は男子競技のみの開催でしたが、2009年の第4回大会より女子競技も開催されるようになり、アジアパシフィック地域におけるラクロスの発展を象徴する大会となりました。
日本は男女ともに圧倒的な強さを誇ります。2011年以降、5大会連続で優勝を果たしており、地域のリーダーとしてアジアラクロスの発展を牽引しています。日本代表はこの大会を通じ、国際経験の蓄積とともに次なる世界への挑戦を続けています。

ワールドゲームズ(主催:IWGA)
「第2のオリンピック」とも呼ばれる国際総合競技大会で、近年はオリンピック正式採用を見据えた6人制(SIXES)が採用されています。
オリンピック正式種目化への試金石として、ワールドゲームズでの採用が重要視されており、女子ラクロスは、2017年のポーランド・ヴロツワフ大会より公開競技として実施され、女子日本代表も参戦しました。
2022年はアメリカ・アラバマ州で開催され、ラクロス競技は6人制ラクロス(SIXES)で行われ、女子競技は正式種目、男子競技は公開種目として実施されました。日本は、女子は8か国中6位、男子は8か国中3位に入賞し、日本ラクロスとして初めて国際総合大会でのメダルを獲得しました。新時代のラクロスを象徴する大会として、日本の存在感を世界に示しました。

国際親善試合(主催:JLA)
ラクロスを通じた国際交流を深めることを目的に、第1回国際親善試合は1989年に東京都世田谷区・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で開催されました。アメリカNCAA1部で優勝したジョンズ・ホプキンズ大学男子チームとオーストラリア代表が来日し、対戦しました。
エキシビションマッチとしては、男女の「日本選抜 対 セントポール高」の試合も実施され、男子は3-11、女子は2-9で敗戦しました。
アメリカNCAA王者や各国代表など、世界の強豪チームが来日する本イベントは、これまでにオーストラリア、カナダ、イギリス、アメリカ、韓国、香港のチームが参加しています。試合にとどまらず、ホームステイや交流活動を通じて日本の学生ラクロスの異文化理解を促進し、人材育成の場としても重要な役割を果たしています。

夢の舞台へ -2028年ロサンゼルスオリンピック
2023年10月16日、ラクロスは2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックの追加競技として正式に承認されました 。1908年のロンドン大会以来、実に120年ぶりとなるオリンピック復帰であり、ラクロスに関わるすべての人々にとっての新たな夢の舞台となります 。
今後の世界大会予定
| 年月 | 大会名 | 開催地 | |
|---|---|---|---|
| 2026年1月 | 【男子】アジアパシフィック選手権大会(世界選手権予選) | 10人制 | 未定 |
| 2026年7月 | 【女子】世界選手権大会 | 10人制 | 日本・東京 |
| 2027年 | 【男子】世界選手権大会 | 10人制 | 日本 |
| 2026年10月 | 【男女】SIXES世界選手権大会 大陸予選大会 | 6人制 | 未定 |
| 2027年 | 【男女】SIXES世界選手権大会(オリンピック予選) | 6人制 | 未定 |
| 2028年 | 【男女】オリンピック 最終予選大会 | 6人制 | 未定 |
| 2028年7月 | 【男女】オリンピック ロサンゼルス大会 | 6人制 | アメリカ |



