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 Women's Japan Lacrosse National Squad

世界大会・現地レポート
レポート Vol.16
2005年7月2日(土)
 
ベンチ  ベンチに下がって戦況を見守る#10 佐々木梓(アズ)と早川亜希(アキ)STRにケアをしてもらう#16 和田亜紀子(ドン)。
日本ピンチ


 この1点リードを保って後半に持ち込みたい日本は、声を掛け合い集中してゴールを守る。
  ここで前半のクライマックスが訪れる。ウェールズの選手がゴール左からシュートモーションに入った際、#2 豊田亜友子(トヨ)がゴールを飛び出し積極的なポジションを取りに行ったところ、相手選手がひっくり返り(写真奥)、豊田のプッシングによるファウルという判定に。日本ベンチのコーチ陣からは一斉に抗議の声があがるが、判定は覆らず、ウェールズにフリーショットが与えられ、豊田はボール保持者の4m後ろに下げられてしまう。無人のゴールへのフリーショット。相手に1点献上したも同然、絶対絶命の状態。ゴール脇にいる日本のディフェンスは、#8 川口圭子(ケイコ)と#8 松井理紗(リサ)。二人に石川貴一(タカイチ)ACが大声で指示を出す。「ケイコ!!リサ!!クロスを思いっきり伸ばせ!!」。石川ACの声に無言で頷く二人。ショット開始の笛が鳴る。シューターに向かって一斉に駆け寄りながらクロスを伸ばす二人。後ろに下げられていた豊田や#12 濱田亜衣子も追いかける。ウェールズにとっては普通に撃てば入るというラッキーショット。しかし、なんと放ったシュートはゴールをそれて行った。ボールがエンドラインを割って再び笛でゲームが止まると、日本は全員が「ヨーッシャ!!!」とガッツポーズ。客席の日本サポーターも立ち上がって日の丸を振って盛り上がる。「Oh・・・」と頭を抱える対照的なウェールズ応援席。ベンチに戻った#8 川口によると、シュートボールはクロスにもゴールにも当たらず、ただゴールを外れて行ったのだという。日本の執念がウェールズのシューターに無言のプレッシャーを与えたのかもしれない。日本、ピンチを乗り切り、1点のリードを保って前半を折り返した。
佐藤AC
ハーフタイム
ハーフタイム
 ハーフタイム。
  POOL A昇格に向けて、最後のまとまった確認時間になる。ロッカールームでアイシングや水分補給をしながらコーチ陣の話を聞く選手達。佐藤壮(タケシ)ACは、この試合展開を「予想通りの楽しいゲーム」と表現し、「ウェールズはシュートを撃ってこぼれた球をまた拾ってすぐ撃つ、ここまで含めての攻撃の戦術になっているから、日本ゴール前でディフェンス時のグラウンドボールは警戒して絶対取れ。まだまだ走れるぞ、全然走り足りないぞ!」と選手達を盛り上げた。高田静江(シズエ)HCは、「今日の試合、“勝つ”って決めたじゃん。なのに途中から、“勝つ”じゃなくて“負けたくない”っていうのが伝わってきちゃったんだよね。ウェールズがボールを沢山持っているように見えるけど、スパイダーが掛かっていないわけじゃないんだよ。スパイダーが掛かっているから、相手も細かいパスをつなぐしかないだけなの。絶対引くな。どんなにうちがリードしてようが、されてようが関係ない。勝負は後半だよ!!」と選手達を鼓舞した。
円陣  円陣。
  #5川辺美穂子(アキラ)Cap、「走るよ!勝つんだ!!1、2、3!!」。
  全員「ニッポン!!」。
後半開始
佐藤AC
 後半は開始早々からウェールズのPOOL A残留への執念を思い知る展開となる。
  前半の悪い流れなど全く断ち切ったように落ち着いてボールを回すミッドフィルダー陣。攻撃にじっくりと時間をかけ、キーマンの一人である#9 Laura Warrenによる1対1。日本のディフェンスを一人二人と確実にかわし、ゴーリー#2 豊田亜友子(トヨ)のメット脇を狙い済まして、“丁寧”という表現がぴったりなゴールで追い付くと、続けて3分27秒、同じく#9 Warrenの1対1によるゴール。点を取るべき選手がしっかりと仕事をしてあっという間に日本を逆転する。日本に勢いが無くなったとか、ミスが出始めたというわけではない。これが、挑戦者に対する洗礼というものなのではないか。
  高田静江(シズエ)HCは、中盤を落ち着かせるべく、攻守に渡る柱である#5 川辺美穂子(アキラ)Capと機動性に優れた#11 徳永志帆(シホ)ゲームCapにボールを集めるよう指示を送る。
濱田
西村
 日本はゴーリーを#2 豊田亜友子(トヨ)から#1 西村麻希(マキ)に再び変更し、反撃に備える。このあと日本は約5分間、ウェールズの攻撃に耐え続けた。


Photo & Report by 日本ラクロス協会広報部・橋本薫

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