Go To TOPPAGE 第18回ラクロス全日本選手権

第18回ラクロス全日本選手権大会第18回ラクロス全日本選手権大会

日時:2007年12月16日(日) 11:00試合開始
場所:東京・江戸川区陸上競技場

女子決勝戦 日本体育大学(関東学生1位) vs MISTRAL(クラブ1位)

ゲームレポート(続き)

日本体育大学vsMISTRAL日本体育大学vsMISTRAL

日本体育大学vsMISTRAL 後半開始。ドローは日体が獲った。#6山田愛選手がそのままセンターから1対1を仕掛け、惜しくもゴーリーセーブ。その後、攻守の入れ替わりが激しくなるが、決定的な場面で両チームとも得点が決められない。MIS #18上林梨沙選手もフリーシュートを撃ったが、日体のゴーリー#26二村美穂選手の好セーブに阻まれ、チャンスを逃した。MISは、連続して4本ものシュートを撃つが決まらない。しかし慌てずフォローし、ボールをまわし続け、MIS #70松井理紗選手が、相手選手がひしめき合うゴール前でシュートを撃ち、得点した。立ち止まったまま、何度もフェイクを入れたシュートに、日体のディフェンス陣は為す術がなかった。後半開始7分、点差は5点にも開いていた。またしてもオフェンス時間を稼ぐのは、MIS。しかし、#24両角麻紀選手のシュートはゴーリーに止められ、ここから日体の攻撃が始まった。#41中村泰子選手が走りあがってパスし、#6山田愛選手が股下にシュート。惜しくもゴーリーセーブとなるが、その勢いに乗り、直後#91関谷智美選手が、右からの1対1で、ゴールに襲い掛かった。スパッとした、気持ちのいいシュートであった。日体の初得点に、応援席からは大きな歓声が上がった。この得点で闘志に火がついた日体は、わずか3分後、#94亀入陽子選手が#6山田愛選手のフィードを受け、クイックシュートを決めた。点差は3点となった。一気に追い上げる日体に恐怖を感じたのか、MISがタイムアウトを取った。

日本体育大学vsMISTRAL日本体育大学vsMISTRAL日本体育大学vsMISTRAL

 この勢いに乗り逆転したい日体であったが、やはりMISは弱ってはいなかった。ドロー後あっという間に得点。速攻後、#16竹野谷真理選手のフェイクを3、4回も入れたシュートであった。相手ディフェンスの隙間にぽっかり空いたシュートコースに、しっかりと決めた。あきらめない日体はチャンスを掴もうと、ボールマンへの当たりを強くして奪いにいく。何度か奪えたものの、ほとんどがファール。ボールを保持するのはやはりMISだった。MISのゲームコントロールの上手さに、日体はまたも流れを掴めずにいた。後半21分、追い討ちをかけるように、MIS #70松井理紗選手が華麗なダッヂでディフェンスを4人もかわして得点した。松井選手は、本日3得点目。試合を決定づける勢いのあるシュートであった。ここで、日体が最後のタイムアウト。後半ラスト3分、日体のあきらめないという意志の表れに、MISも応える。両チーム最後のチアを組み、今日一番の声を出す。どちらも、最後まで全力でプレイする意気込みを見せてくれた。

 ドローを獲ったのはMIS。試合終了までボールをまわし続けることも出来たが、MISは果敢に攻め続ける。#11和田亜紀子選手のシュートは、日体#26二村美穂選手が執念でセーブした。残り時間が少なくなる中、日体は最後の意地と粘りを見せ、連続して4本ものシュートを撃つ。この積極的な攻撃は、後半開始直後のMISを思い出させるものであった。そしてラスト1分、日体#63松尾智子選手のパスを受け、#10高柳美咲選手がバウンドシュートを決めた。ゴーリーの不意を打つ、クイックシュートであった。日体の応援席の興奮冷めやらぬ中、試合終了のホイッスルが鳴った。7-3でMISTRALが勝利したものの、後半だけ見れば3-3の、決勝戦らしい非常にいい試合だった。

日本体育大学vsMISTRAL日本体育大学vsMISTRAL

 こうして、MISTRALの全日本選手権2連覇が達成された。「完全優勝〜ONE〜」を目標に1年間活動してきたMISTRALだが、勝って当たり前と言われながらの試合は、予想以上のプレッシャーがあっただろう。全てに打ち勝った勝者たちは、円になってクロスを投げ、グラウンドに大輪のクロスの花を咲かせた。王者らしい清々しい勝利に、会場を埋め尽くす観客全員が感動を覚えた。

 最優秀選手賞は、3得点を決めた#70松井理紗選手。日体のOGでもある松井選手は、日体の両チームの応援席から祝福され、「決勝で日体と試合が出来たのが、何より嬉しい。日体の卒業生全員に勝利を報告したいです。」と涙を見せた。
  主将の上井華奈選手も、勝因は最高の仲間と出会えたことだと話し、サポートしてくれた人たちに感謝の意を述べた。MISTRALは、”日体の持ち味である「全員ラクロス」”も持ち合わせているのだ。それに加えた個人技術やメンタルの強さ・・・、やはりMISTRALは日本一になるべくチームであったのだろう。

 試合は終わり勝ち負けがついたものの、両チーム爽やかな涙を流し、清々しい笑顔を見せてくれた。まるで合同で優勝を掴んだようにも見える。勝ち負けを超えた、スポーツの素晴らしさに気づかせてくれる、決勝戦にふさわしい最高の試合であった。

日本体育大学vsMISTRAL日本体育大学vsMISTRAL

 ”これからはMISTRALの時代が来る”、誰もがそう思った。来年またこの場所で嬉し涙を流すのはMISTRALなのであろうか。それとも新たな挑戦者が現れ、王者の栄冠を手にするのか。それがわかるのは、また1年後。それまで、全国のラクロスプレイヤーが、またがむしゃらに練習し続けるのだ。この選ばれた選手だけが立てる、最高の舞台を夢見て。


Report:吉村めぐみ(明治大学)
Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満

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