1999年度日本学生ラクロス連盟の体制・方針について

今年度の日本学生ラクロス連盟(以下学生連盟)の活動は基本的には日本ラクロス協会(以下JLA)の活動目的である「Wカップ優勝(代表チームの強化)」に準じ、短期的には当面のJLA の活動方針である以下の3目標を踏襲する。

1. Pride of Lacrosse
2. 若年層の新規会員獲得推進強化
3. 国際交流の促進

学生連盟としては、各加盟チームの組織・技術におけるレベル向上の観点から以上の目標に沿った活動方針を策定すべきである。
以下にその活動の障害となりかねない現学生連盟の抱える問題点を挙げつつ解決への方策を探っていく。

 

1. ラクロスの“スポーツ”化促進

日本におけるラクロスの“スポーツ”としての普及・発展を図るためには、ラクロスを“スポーツ”として社会的に認知させなければならない。何故“スポーツ”化を図るのかと言うと、ラクロスを“スポーツ”としてカテゴライズすることが社会的認知度の向上につながるからである。ということは、ラクロスの常識が他のスポーツの常識と乖離している現在の状況を是正しなければならない。

ラクロスの常識=一般スポーツの常識=ラクロスはスポーツ

具体的には、JLA及び学生連盟内外に対するPR手法の改善とその効果増進を行う必要がある。学生連盟をもっと前面に押し出してアピールしていく為に、まずはその内部である学生連盟内の問題を解決し、その上でラクロスのアピール強化を行うということである。例えば、ラクロスを社会的にアピールしようとして、メディアに出るとする。しかし、その会場での模様が他のスポーツの常識から逸脱していれば、ラクロスのメディア露出効果は半減するどころか皆無に近い状態である。そのようなことを指して、ここではJLA及び学生連盟内外に対するPR手法の改善とその効果増進と言っている。“スポーツ”化のために保証すべき項目、およびその改善策を以下に提示する。

プレーヤーの技術レベル;強化体制・環境・人数
強化部との連携を密にして、強化部主導の形で技術レベル向上にあたる。FPJ活動の推進も強化部と協力して行っていく。プレイヤーの技術レベルと共にルールの理解度に関しては、学生連盟側から講習会等のアクションを起こしていく。

審判の技術レベル;審判部・参加意識
審判部との協力体制。参加意識の改善は、引き続き学生連盟で行っていく。リーダーズミーティング内で重要案件としてディスカッションを持ち、その重要性をまずは主将に再度認識してもらう。

オフィシャルのレベル;参加意識・大会委員
オフィシャルのレベルを向上する為に、今年度はオフィシャルに関して抜本的改革を図る。大会委員はオフィシャルのプロとして位置づける。詳細は大会委員会の活動方針の中で述べることにする。

開催会場のレベル;団体規模・試合日程
指定した試合に関しては、観客席付きの会場を確保し集客活動を行う。指定する試合は、開幕戦、プレーオフ、及び入れ替え戦である。その際、大会委員会内役員及び委員のみで大会を運営するのではなく、実施本部という形態で大会運営を行うものとする。ラクロスの“スポーツ”化を推進する上で、日程・結果公表体制の整備は必須である。日程の早期公表体制による観客動員数の増加は必至。少なくとも1ヶ月前には公式日程を発表するようにしたい。さらには、1部に関しては通年での日程公表を考えている。それによる観戦ガイドの作成までも視野に入れている。

対戦チーム間の戦力バランス;部構成・チーム運営・人数
チームの組織力がチームの力に関わってくることを考えて、チームの組織運営力の向上にまず注力していく。それに関しては別項参照。

2. 組織構成員の現状認識・意識

構成員の多くが日本のラクロス界が未成熟・発展途上な組織であるにもかかわらず、成熟したものと認識している。何故なら、草創期の世代とは違い今の世代は入部・入会した時点であらゆる“モノ”が用意されているため、自主運営というこの団体の強くもあり弱くもある性質に対し理解が無い。
“PRIDE OF LACROSSE”に象徴される問題
与える人=学生連盟 / 与えられる人=一般構成員という構図ではなく、“共に目標を達成する仲間”という構図にしていく。実際上は一部分与える人・与えられる人であってもそうは思わせないような組織運営を行う様にしていかなければならない。

3. 加盟チームの組織運営レベル

1)“オトナ”の介入

チームを運営する上で必要なのは、短期的目標・長期的目標の設定とチーム活動がその目標に常に向かうように軌道修正してくれる人(いわゆる“オトナ”)の存在である。現在の各加盟チームの状況を見ていると、短期的なもの(その年におけるリーグ戦の勝ち星等)にばかり目が行ってしまい、長期的視野に立ってチームを見ることができていない。つまり、長期的な視野に立ってチームを見ることのできる“オトナ”の存在が欠如しているのである。それでは、5年後・10年後のラクロスの発展は望めない。その”オトナ”の存在を確保する為の学生連盟のアプローチは2つ。1つはOB会・OG会等の整備により、卒業生によりチームに残ってもらうような環境を整えていくといったようなアイデアを提供していくこと。もう1つは、チームの主将を“オトナ”に少しでも近づけていくこと。早期の段階から主将を抱き込むことによって、運営側と構成員の意識のギャップを埋めていく。

2)新入部員の獲得

ラクロスが団体スポーツである以上、人数がいなければチームは成り立たない。その至極当たり前のことを徹底していく。チームを運営する上でも、人数は全ての基礎になっていることを再確認してもらい、その上でチームの勧誘活動にあたっていただく。あくまでチームおける勧誘活動はチームの責任なのではあるが、その中でも学生連盟として協力できる点に関しては積極的に関与していく。昨年度から協会内に立ち上げたFPJに学生連盟がリンクして活動していく。またFPJ活動は新入生の勧誘のみに特化した活動では決してなく、勧誘も含めた若年層の勧誘推進・強化のことを総じてFPJと言っているのでその点に関しては理解戴きたい。

以上

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1999.4.20 Copyright Reserved by Japan Lacrosse Association