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 Women's Japan Lacrosse National Squad

活動レポート
ウェールズ遠征 Vol.5
2005年4月18日(日)
 
 大会最終日の今日は6時半にチェックアウトをし、荷物もパッキングした状態で朝食を取り出発、午前と午後に1試合ずつの合計2試合を戦ったのち、大会主催のtea partyに出席し、そのままバスでロンドンに移動というハードスケジュールである。
ウェールズ 9時半からのイングランド戦に合わせて7時半に会場入りした日本代表。体育館でのウォーミングアップを終え、外に出てくる。
グラウンドインして、佐藤壮(タケシ)ACの説明を聞く。左・徳永志帆(シホ)、右・山田幸代(サチ) ウェールズ
ウェールズ イングランドナショナルチームもアップ開始。前回の世界大会ではアメリカ、オーストラリアに次いで第3位だった。アップを見ている限り、かなり統率がなされたチームという印象と、世界No.3というプライドを感じずにはいられない。
 試合は、3-16で敗北。ドロー獲得率は互角だったが、その後のボール保持時間とシュート数でイングランドが圧倒的に勝っていた。特に前半にその差が歴然としていた。試合後、悔しがらない選手はいなかったが、開いた点差の割りに日本代表チームに悲壮感は全く漂っていなかった。むしろ、「次はやれる!」という手応えを感じている者が多かったようだ。
シュートモーションをブロックされる和田亜紀子(ドン)
ウェールズ
 イングランドと日本のボール保持時間を大きく分けたのはグラウンドボールの処理能力だった。また、試合への入りの悪さも浮き彫りになった。

 午後、今大会主催のウェールズナショナルチームと試合。日本代表にとってウェールズ遠征最後の試合である。ここまでの各国の成績は、圧勝しているイングランドを除いて互いが潰しあっている結果となっているので、ウェールズに勝つことで日本も三つ巴になろうじゃないか。そう佐藤壮(タケシ)ACは選手達を鼓舞した。しかし試合は前半からウェールズに支配権を与える内容となった。
ウェールズ 真剣な面持ちでグラウンドに入る、スターティングラインナップの面々
グラウンドボールを追いかける徳永志帆(シホ)
ウェールズ
ウェールズ ウェールズには、大柄な選手が何名かいる。そして線が太い。172cmの佐久間朋子(トモコ)でさえも小さく見えるほどだ。
ウェールズのシュートが決まる。連続してやられる場面もあったが、豊田亜友子(トヨ)にひるんだ様子は見られなかった。 ウェールズ
 このまま一方的にやられてしまうのか?と敗北の気配が濃厚になってきた試合ラスト15分、日本がタイムアウトをきっかけに起動した。ワールドカップ直前なので詳しくはここでは伏せるが、明らかにパニックに陥るウェールズと追い詰める日本。速攻が連続して決まり、会場の空気はいっぺんにアウェイの日本に転じた。丘の上から戦況を見守っていた、今試合ベンチ入りしなかった6名は声を張り上げて跳ね回り、転げ周り、早めに迎えに来て途中から観戦していたバス運転手のブライアンさんは唖然としながらも「やるじゃないか」という表情を見せ、勝利を確信して優雅に見ていたウェールズ応援団は腕組みをして身を乗り出した。それまでにかなりの点差が開いていたし、その後ウェールズ側もさらに追加点を決めたので、結果としては日本はそのままウェールズに負けた。しかし、最後の15分、日本は「このスタイルで日本は世界大会で4位を狙うんだ」という姿勢を確かにアピールし、ウェールズを圧倒したのだ。

  試合終了直後、ユニフォームのまま、日の丸を背に記念写真を撮った。その顔は、遠征前に比べて何か自信と確信を得た表情のように見えた。

  試合後、アイシングもそこそこに大会主催のTea Partyに出席。この大会は出場チームの順位は決まらないが、優秀選手や審判などが表彰され、スピーチが行われた。試合直後の日本チームは、疲れもあってか会話少なめに黙々と手作りのスコーンやサンドウィッチなどを食べていた・・・。
 Tea Partyは1時間弱で終了、日本代表はバスに乗り込み、そのままヒースロー国際空港のあるロンドンへ向かった。車内では皆疲れのピークを超えてしまったのか、半分以上の者が起きていて、ゲームなどで盛り上がっていた。
ウェールズ 高速道路のサービスエリアにて遅い夕食。日本から撤退してしまったBARGERKINGを見つけて皆殺到。
こんな時にも茶目っ気を忘れない。

 その後23時過ぎに、ロンドン中心街に到着。ハイドパーク隣のホテルに一泊し、翌日は各自で軽く街を散策し、日本帰国の途に着いた。

 異国の地、Walesでの1週間の遠征を通して、私達は今までで最もリアルに本大会をシミューレーションすることができた。結果は2勝3敗で、本大会で戦うスコットランド、ウェールズ、イングランドには今回勝利出来なかったが、それは本番で勝つために必要な負けであったと考える。ましてやチームにマイナスをもたらすものでは全くなかった。出国時に選手が、日本で結果を待つ高田静江(シズエ)HCから渡された手紙に書かれていた、「不安ではなく、“ここまでは通用する!”という自信をつけて帰ってくること」というミッションを、選手も、スタッフも、しっかりと達成し持ち帰れたのではないか。次にあの3国と戦うのが、本当に楽しみだ。日本の成長は、ここからさらに加速していくだろう。

 

Photo & Report by 女子日本代表サポートマネージャー・橋本薫

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