Go To TOP PAGEJapan Club Lacrosse Championships 2008

 第10回ラクロス全日本クラブ選手権

日時:2008年11月3日(祝) 11:00試合開始
場所:大阪・舞洲運動広場球技場

女子第1回戦 NLC SCHERZO(西日本リーグ1位) vs FUSION(東日本リーグ2位)

NLC SCHERZO vs FUSIONNLC SCHERZO vs FUSION

スコア

チーム
前半
後半
Extra
TOTAL
NLC SCHERZO
3
3
0

6

FUSION
3
3
1
7

NLC SCHERZO vs FUSIONNLC SCHERZO vs FUSION

得点者

NLC SCHERZO FUSION
#22 青木絵理 (2) #3 前島光紗 (2)
#10 井倉涼子 (1) #40 浅倉祥子 (2)
#11 飛澤園子 (1) #2 能村佐知子 (1)
#18 粂田奈美 (1) #11 徳永志帆 (1)
#19 伊能直子 (1) #33 関まほろ (1)

*()は得点数

NLC SCHERZO vs FUSIONNLC SCHERZO vs FUSION

ゲームレポート

 第10回ラクロス全日本クラブ選手権1回戦、大阪会場の舞洲運動広場球技場で行われた戦いは、「1点の重み」を感じさせるドラマチックで熱い一戦となった。
  前身のSCHERZOから今のチームになり、4度目のクラブ選手権出場のNLC SCHERZO(以下、NLC)と、創部4年目にして初めてクラブ選手権出場の切符を手に入れたFusionの試合は、最終的にサドンビクトリーによる決着で幕を閉じるという白熱した戦いだった。

NLC SCHERZO vs FUSIONNLC SCHERZO vs FUSION

 試合開始早々グラウンドボールを制したNLCが、初めに流れをつかむ。Fusionのファウルによるフリーシュートを立て続けに2本撃つもシュートが決まらない。試合を初めに動かしたのは、ゴール右裏からの1対1で得点を決めたNLC#19伊能選手だった。だが直後、Fusion#33関選手が持ち前の俊足を生かし、右上からゴーリー足元左下へのシュートを決め1-1とする。更に#34長江選手のアシストから#40浅倉選手がゴールへと球を叩き込み1-2とする。その後、Fusionは#11徳永選手のゴール前への鋭いパスが続くも、NLCのゴール前の固い守りに阻まれ点数を重ねることができない時間帯が続く。

NLC SCHERZO vs FUSIONNLC SCHERZO vs FUSION

 一方、NLCはボールを奪うものの、連続してクリアーミスが誘発してしまう。両チーム共に点数を重ねることのできない我慢の時間が続く。その間も、Fusionの攻撃の手は止まらない。#58山田選手のノールックパスが、ゴール前にカットインしてきた#6松村選手へ鮮やかに渡るもシュートが決まらない。Fusion#13石橋選手からのアシストを#58山田選手がシュートするも、NLC#33岩本選手が落ち着いてセーブする。一方、ゴール前の固い守りから、NLCは何度もクリアーのチャンスを作るが、その好機をものにすることができない。試合開始17分、停滞する流れを動かしたのはNLC#11飛澤選手だった。ゴール左上から水平方向へ移動しながらの1対1でシュートを決め2-2の同点とする。その後、NLCのミスから生まれた一瞬のチャンスを活かし、速攻を狙うFusionだが、NLCのディフェンスの戻りが速い。一方のNLCはゴール前の固い守りから、インターセプトでチャンスを作り出すものの、なかなか得点に結びつけることができない。NLCの守備時間が続く中、前半残り30秒を切ったところで、ゴール前のこぼれ球に反応したFusion#13前島選手が得点を挙げ、2-3とする。このまま前半は終了かと思った矢先、ドローを捕ったNLC#22青木選手が得意の左上からの豪快なシュートで1点を返し、3-3の同点で前半を折り返した。

NLC SCHERZO vs FUSION 後半開始、NLC#12山本選手から逆サイドへ大きく振られたパスから#10井倉選手がゴールを決める。すかさずNLC#22青木選手が本日2得点目、右上から鮮やかなシュートを決め5-3とする。たまらずタイムアウトを取ったFusionは、試合再開直後、#11徳永選手がゴール前へ切り込み、打点の高さを活かしたシュートで1点を返し、5-4とする。その後、NLCによるファールやクリアーミスにより、NLCにとって粘りの時間が続いていく。この流れでFusion#2能村選手がダイナミックな右上からの1対1で、5-5の同点に持ち込む。両チームのゴーリーのセーブも見応えがあった。NLCがゴール前の速い攻めでシュートを狙うも、Fusionゴーリー#22中嶋選手が好セーブ。一方、FusionのフリーシュートをNLCゴーリー#33岩本選手が食い止める。同点で、両者一歩も譲らない緊迫した雰囲気の中、NLCがFusionの高めのディフェンスに攻めあぐねる。NLC#10井倉選手から出されたアシストから#11飛澤選手がシュートを狙うものの、Fusionゴールネットを揺らすことができない。両チーム試合中盤には疲れが見え始め、天然芝に足を取られ滑る場面が多々見られた。また、スティックワークが甘くなってきたところは両者見逃さず、ダウンボールも多くなってきた。熱い攻防が続く中、試合残り時間5分を切った時、NLC#18粂田選手がゴール前のこぼれ球をゴールへ押し込み、6-5とする。この後のドローは非常に重要だった。それを制したのはFusion。NLCのメジャーファウルにより、Fusionのフリーシュートのチャンスを得るも、NLC#33岩本選手の好セーブにより、得点できない。NLCも攻撃チャンスを作るが、シュートへ結びつけることができない。両者頭部への危険なチェック等、ファウルが絶えない、緊張した雰囲気の中で、ラスト30秒、大きな、大きな1点をFusion#40浅倉選手が決め、大歓声と熱気、どよめきの中、後半は6-6の同点で終了した。

 両チーム疲労もピークに達し、極度の緊張の中で、3分間の休憩をはさんで、6分間のサドンビクトリーが始まった。ドローを捕ったのは、NLC#22青木選手。初めにNLCがゴール前で攻撃を作る。決勝点になるのか、と思われるチャンスを幾度と作り出すものの、なかなか決まらない。体力も限界に近づき、ディフェンスも荒くなってくる。NLCはシュートボールが自チームの選手に当たり、あわやの事態が発生する。一方のFusionも、何度もチャンスを作り出し、#33関選手、# 11徳永選手がシュートを撃つ。しかし、決勝点にならない。

NLC SCHERZO vs FUSIONNLC SCHERZO vs FUSION

 とその時、一瞬だった。

 Fusion#3前島選手の放った球がNLCゴールネットを揺らした。会場は一瞬の静寂の後、Fusion選手の歓喜とNLC選手の嗚咽、観客席の言葉にできない声とに包まれた。

 この一戦は、戦っている者はもちろん、観ている者までもが鳥肌の立つような、そんな見応えのある試合だった。興奮と感動を与えてくれた両チームの選手皆さんにありがとうと感謝の言葉を伝えたい。そして同時に、命運を分けた両チームの今後の更なる成長に期待したい。



Report:大皿恭子(CRAZY SCORPIONS所属)
Photo:日本ラクロス協会広報部関西次長・中山崇

 

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