Go To TOP PAGEInternational Lacrosse Friendship Games 2004

 第16回ラクロス国際親善試合

  リエゾン・レポート

*「リエゾン(liaison)」とは、”来日するチームに帯同し、チームの連絡窓口及びお世話をするスタッフ”のことです。
  本レポートは、リエゾンからの日次報告から抜粋したものです。
  外からは見えない来日チームの様子が垣間見れます。
 
US West男子&女子 2004年6月10日(木)東京編
                         Report by 日本ラクロス協会国際部・森部高史

 午後1時、選手達は東京駅八重洲北口に集合。かなり早くに集合している選手達もいて、12時過ぎには来ている者も多くいました。

 集合時間が近づくにつれ、改札口近辺は荷物の山、山、山・・・。「これを新幹線にのせるのか・・・。」と国際部スタッフ一同不安になるものの、「2年前もやったからね、今年もやるよ!」とはスティーブ氏。

 ホストファミリー、そしてスタッフ共に入場券を買ってホームまで見送りに。そこにいたみんなで写真撮影をしたり、メールアドレスの交換をしたりして出発までの時間を過ごしました。中には、感極まって涙を流す者もいました。

 出発時間5分前、荷物を積み込み始めたのですが、車内は大変なことに・・・。指定券で「12〜20番の席が我々の席だから、その席だったらどこにでも座ってくれ。」と言ったにもかかわらず、少し目を放した隙に座席番号1番のところから荷物を積み上げて全く関係のない席を埋め尽くし、さらには反対側出口の前に荷物を積上げる始末。武藤国際部長が、「そこには置かずに後ろに持っていくように。」と指示を出し、そこからは荷物リレー。乗車席の棚、そして足元においても全くスペースが足りないので、5人分の座席が埋め尽くされることに。
  すると何人かの選手が「俺達の席が荷物で埋め尽くされたんだけど・・・。」と来るので、「とりあえず空いている席に座っていて。もしも誰か来たら移動をしてくれ。」と伝え過ごしていました。

 それから10分後くらいに、「あのー・・・。」と若い男性から声を掛けられ何かと思ったら、「僕の荷物が彼らの荷物の下に埋まってしまったんですけど・・・。僕は浜松で降りるんですが、英語がしゃべられないので・・・。」そうです、彼らが荷物を積み込んだ席のひとつがなんと彼の席だったのです。とりあえず平謝りして、彼らにひとつ席を空けさせそこに座って頂き、荷物の方は取り出しました。

 その直後には、ワゴンサービスのお姉さんに「あれではワゴンが通れないので、ワゴンが通れるようにして頂けますか。」と言われ、若干の荷物移動。

 そうこうするうちに、先程の青年が浜松で降りるので、挨拶をして送り出したら、今度は壮年男性が「おいおい、何だこりゃ、俺の席がねえじゃねぇか。」と。とりあえず荷物をどけ始めたら、「いいよ、いいよ。」と隣の車両に移動をして下さいました。とりあえず後を追い、お礼を言うと、「あんたも大変だね。まぁ、がんばれよ。俺の方はどうにかなるからよ。」とぶっきらぼうながらも温かいお言葉をかけて頂きました。

 車掌さんは女性の方で、最初こそは「棚の上を占領されてしまうと他のお客様のご迷惑になりますので。うるさかったらきちんと注意をしてくださいね。」と忠告をされたのですが、最後には「新大阪は終点ですから、焦らず忘れ物はないようにして下さいね。いろいろとありがとうございました。」と温かい言葉をかけて下さいました。

 そんなやり取りをしているうちに、あっという間に2時間経過。途中、選手達の様子を見てみるとリラックスしている様子。疲れが出て眠りに落ちる者も多くいて、それこそスティーブ氏は椅子から転げ落ちそうな体勢で眠りに落ちていました。
  初めての新幹線に興奮気味の選手もおり、「これは何キロで走るんだっ!?」という質問が多くありました。
  他には、US WESTの中でもこのアジアツアーを通じて「親密な」仲になっている者もおりまして、当然のように隣通しに座り、日本人には考えられないようなくんずほぐれつな体勢になっておりました。(別にキスをしているとかではないのですが。)文化の違いですかねぇ。

 到着30分くらいになって、僕も初めて席に着き落ち着くと、選手たちの会話が耳に入ってきました。
「俺のホストは本当に良かったんだよ。」
「こんなに優しくされるとは思っていなかったよ。」
「これを当たり前と思ってしまったら大阪の人達に悪いよねぇ。もちろん大阪の人達もいい人だとは分かっているんだけど。」とホストファミリーの思い出を語ってくれました。
  「メールアドレスは交換したの?」と訊くと、「もちろん、連絡は取り続けるよ。日本に来た時にはお世話になって、逆にアメリカに来た時はお世話をするよ。」
それには皆うなずいていました。

 到着5分前、スティーブ氏の号令で到着後の行動が指示され、そのおかげで新幹線の扉が開くと同時に荷物リレーの列が作られ、スムーズに荷物が外に出されました。終点だったのは良かったです。

 新大阪駅に到着すると、大阪スタッフがホームで星条旗を広げ待ち構えていてくれました。そのままホストファミリーの待つ集合場所まで移動。

 「大阪って暑いねぇ」と汗ばむ選手達。「東京よりも湿度が高いんだよ。」と言うと、「そんなのってありうるの?!」。彼らにとっては日本のムシムシした暑さと言うのは未体験のものだったので、これ以上は勘弁・・・といった顔をしておりました。

 集合場所では、大阪のスタッフの方々が非常に手際良く選手達をホストファミリーに引き合わせてくれて、そのまま解散となりました。新たな家族との出会いに胸を躍らせながら駅を後にしたた選手達。大阪でも彼達の活躍、そして、良い思い出が彼らだけでなく、この親善試合運営に尽力しているスタッフは勿論、少しでも触れている人達が良い思い出を作れることに期待しています。

・大会実施本部リエゾン班統括:武藤淳公(国際部部長)
・US WEST男子担当:駒場彩
・US WEST女子担当:森部高史
・当日スタッフ:趙瑛純、浜口すなお

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